ミトコンドリアや葉緑体における酸化的リン酸化のメカニズムで、(1)電子輸送がミトコンドリアや葉緑体の膜を越えて配置されていて、その外表面までプロトンがベクトリック輸送されている必要があると提唱されています。 (2)プロトン勾配を利用してATP合成を駆動できるように膜内に配置されていること、(3)ミトコンドリア/クロロプラスト膜がプロトンに対して不透過性で浸透圧的に隔離された空間を定義していること、などである。 電子輸送系は、水素原子キャリアと電子キャリアが交互に構成されており、前者から後者への移動によりプロトンが解放され、ミトコンドリア膜や葉緑体膜を経由してベクトル輸送される。 プロトン輸送は電子の輸送を伴わないため、化学電位(pH)だけでなく電子電位()も発生し、この2つを合わせてプロトン起電力と呼ぶ。 (化学結合仮説、構造仮説、電気化学的勾配、P:O比、プロトン起電力も参照)
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