NOx非存在下で決定したOHラジカルと硫化ジエチル(CH3CH2)2Sおよび硫化メチルエチル(CH3CH2SCH3)の気相反応における生成物分布について紹介する。 実験は1080L石英ガラス光反応器と405Lホウケイ酸ガラス光反応器を用いて、(298 ± 2) Kの合成空気中で行い、反応物と生成物の分析には長経路「in situ」FTIR分光を使用した。 また,CH3CH2SCH3の光分解反応では,SO2とCH3CHOが主要生成物として同定され,HCHOが副生成物として認められた。
COとHCOOHの生成も認められたが,これらの生成物の濃度時間挙動から,主要生成物がさらに酸化されて生成した二次生成物と考えられる. OCSは微量に認められたが,その濃度-時間挙動から,マイナーな一次生成物であることが示唆された。 OHラジカルと(CH3CH2)2Sとの反応で得られた生成物の収率は以下の通りであった。 SO2とCH3CHOの収率はそれぞれ(50 ± 3)%と(91 ± 3)%であった。 一方、OHラジカルとCH3CH2SCH3の反応では、SO2、CH3CHO、HCHOについてそれぞれ(51 ± 2)%, (57 ± 3)%, (46 ± 4)%の収率が得られた。
今回の結果は、よく研究されている硫化ジメチルとCH3SCH3、OHラジカルの反応の結果と比較して、観察された生成物の生成を説明できる単純な雰囲気での分解機構と推定したものである。