32歳男性が肝腫瘍で当科に入院された. 無症状であったが,既往歴に過去8年間の慢性アルコール摂取があった。 腹部コンピュータ断層撮影(CT)により,肝4~5節(S4/5)から突出した8cm大の腫瘤を認めた。 腫瘍は初期から後期まで境界部を中心に造影効果を示した。 腫瘍には低密度の領域があり,これは中心部の星状瘢痕と考えられた(図1a,b)。 腹部MRI(Dynamic abdominal magnetic resonance imaging)では,早期から肝胆膵相期まで造影を伴う腫瘤を認めた(図1c,d)。 腫瘍から採取した経皮生検標本の病理検査では,線維性結合組織と正常門脈のない胆管が認められた(図2a, b)。 腫瘍はFNHと診断された。