第1章 ウイルスの電子顕微鏡

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ウイルスは一般に小さすぎて光学顕微鏡では直接観察できないので、電子顕微鏡がウイルス学で広く用いられている。 ウイルスの形態の解析は、例えば、特定の臨床状況におけるウイルスの診断や、ウイルスの侵入と集合の解析など、多くの状況で必要である。 さらに、ウイルスを細胞培養で増殖させる場合、特にウイルスゲノムが変化した場合には、ウイルス粒子の完全性の品質管理が必要となる。

ほとんどの場合、すでに透過電子顕微鏡の基本手法、すなわちネガティブ染色と超薄切片化で、ウイルス超微細構造の関連情報を得るには十分である。 本章では、これらの基本的な方法論の原理について詳細な情報を提供し、クイックスタートのためのシンプルで信頼性の高いプロトコルを提供する。 さらに、陰性染色と超薄切片作製の標準プロトコールに加え、免疫陰性染色と迅速超薄切片作製のプロトコールについても解説している。 最後に,クライオテクニックやウイルスの3次元構造を明らかにする方法など,より精巧な技術を用いた超微細構造研究のための方法の原理を簡単にレビューしている

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